想い

独立して32年。料理人になって54年が過ぎた。
あっという間だったのが正直な今の心境だが、よく考えると、自分も歳をとったものだと思う。九州・鹿児島で母の手ひとつで育てられた少年時代に料理人への「夢」をふくらませた僕がふるさとをあとにしてから50年あまり。
料理と向かい続けた人生、楽しいこともつらいことも語り尽くせないほどたくさんあったが、幸いな事に僕はずっと仕事を楽しんできた。これは本来の前向きな性格によるところもあるのだろうが、しかし間違えなく、応援してくださったお客様、仲間、スタッフ、そして家族の支えがあったからこそなのだ。32年の歳月に思いを馳せながら心から感謝している。これからも一生懸命、相変わらず前向きに、料理を通じて出来る事を僕なりに続けていきたい。そして後輩たちに僕の学んだものを伝え残していきたいと思っている。

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